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「2年前」を振り返る

毎年12月になると、このブログでは、この1年の社会変化がどのようなものだったのかを概観するという記事を書いています。昨年はこちら。

 今年もその季節がやってきましたが、その記事は次回に回したいと思います。

 世の中の変化は振り返ってみると意外に大きいものです。それでも1年前だとわかりづらければ、2年前を振り返ってみてください。2年前の今頃は、「オリンピック時期の混乱回避のためのテレワーク推進」が山手線内に空虚に鳴り響いていた時期です。そして、一般物品のEC化率はジャンルにもよりますが、現時点の80%程度、2割に満たないジャンルが多くありました。(次回記事の先出ですが)

 それに対して自社はどのような変化が起きているでしょうか?それも数字で把握してみましょう。なぜか日本では、社員は経営者に対して「自分は大してできていません」と謙虚なことをいうのが良しとされていますが、そういう「感想」を聴きたいのではありません。そして、「アピール上手」をいったんはねのけてみてください。

  • 規模…全体だけでなく、商品別:育成対象商品はどうなのか?組織別:伸びている組織はどこなのか?
  • 構成比率…伸びている/減っている商品、チャネル)
  • 生産効率…一人あたり●●件数、○○1件当たり所要時間、コスト

などの「数字」の変化をきちんと把握し、その変化の背景が何なのか?をまず理解するところを行います。そして、その変化は今後も続くという前提で(変化が止まるということは通常はないことはコロナ禍関連でよくお分かりかと思いますが)、再度、人員配置や広告方針、あるいは商品やチャネルの推進対象が今のままで良いのか?を見直していきます。そして、大抵は2割程度を強力にプッシュし、エースをそこに配置し、下の2割程度は、「放置」から「順次縮小撤退」という結論が正解となります。その「撤退する」ということは現場では出せない結論であり、トップが明確に決めてはっきりと指示しなければ不効率は温存されてしまいます。

 ここで気を付けて欲しいのは、「1件当たりの生産コスト」「一人当たりの生産量」には意味がありますが「経費削減」自体をサーベイ対象とするのは多くの場合、正しくありません。簡単に減らせるものは減らせばよいのは本当ですが、そんなことをしても、製品原価や人件費の方がはるかに大きいのであり、この部分に手を付けない指標に大した意味はないからです。

 一方で、日々淡々とやっているように見えても、こうして2年程度のspanを置いてみてみると、実はちゃんと成果が上がっているということが確認できることもあります。新しいシステムや仕組みを導入し、それに一定期間習熟すると生産性は目立って改善するものですし、基本的な発注、補充、サポ―トなどの「正しいこと」を地道に続けているだけでも、市場の伸びている箇所では十分に数字が上がっているということが多くあります。経営者は、ともすれば「報告上手」な部門長の成果が目につきやすく引っ張られがちです。それは仕方ないし、嘘でなければ経営者のサポートを得るべく報告を行っている部門長の力量であることも事実ですが、アピール下手、説明下手な社員も相当割合いて、実はそう言う人が現場のオペレーションの基礎を担っていることも多くあります。
 こうした人たちを含めて、一定期間をおいて「変化」を定期的に俯瞰的に確認することは重要なことであるし、その計算方法を各種指示することは、経営者の仕事なのです。

 経営者は神ではないので、普段の中で、社会の変化や社員の実績を見落としていること、誤認識していることはあり得ます。しかし、それが続いていてはいけないのであり、チェックして修正する機会を自分で作っていくことが必要です。「一年を振り返る」には、そういう目的もあります。

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