普段は、1週間ぐらい前には記事を書き終えているのですが、実はこの記事、公開前の深夜に書いています。実は、お客様の経費精算システムと勘定系との連携の設定で私に誤解があり、導入初月の7月の申請の全員分を私が大量の手作業で修正していたり(ホントお客様には混乱させてしまい申し訳ない限りなのですが)、別件でなぜかずっと英語でメールでしていたり…で作業が遅れてしまっていました。
私が最初に手に入れた社会人としての称号は20年以上前の「チェンジリーダー」というものでした。このシステム判断ミスの修正をしながら、久しぶりにこの言葉を思い出していました。
ミスった後でこんなことをいうと言い訳でしかありません…その恥を知りつつ申し上げますが、実は同じシステムの設定は3回目です。しかし、それぞれの会社でそれぞれの事情があり、2つとして同じ設定はありません。ITシステムに限らず、業務の仕組みは、いかにコンサルタントがベストプラクティスの適用にたけていると言っても、やっぱりかなりの部分は「やってみながら考えている」「ケースに応じて試行錯誤してみる」部分はどんなことでも残ります。しかし、それでもその分野に慣れていないお客様よりは勝手を知っているわけですし、より専門のプロに高額な設定料金を払うことも中小企業にはできないわけです。
ミスればリカバリーには大変な工数もかかるし、非難も浴びる覚悟をしなければなりません。変えない方が楽ですし、変える担当になることは、「火中の栗を拾う」ことになるのです。
そして、今回もやっぱり穴がありました。私は決して緻密なほうではありませんが、それを差し引いても人間そんなに完全にはできないのだと思います。だからと言って、変えないのか?というと変えなければどんどん時代に置いて行かれてしまいます。それが今の日本企業の立ち遅れる原因の一つなのではないでしょうか?そう、「火中の栗を拾う人間の失敗にみんなが石を投げる」ことが。
私は中国でも組織のトップを務めていましたが、中国人はどんどん変えます。こちらがもう少し考えて準備してからやれよ、と思うぐらい大胆であり、実際投入するとあちこちで問題が起きます。しかし、かれらは問題が起きても起きた後で対処すればよいし、ある程度の不満には指示命令系統で強制すればよいことと考えます。変えることには摩擦や問題が起きるのは当然である、しばらくの移行期のゴタゴタは気にする必要はなく、できるだけ早く変えて望ましい状態をつくればそれが成果と考えています。そして、もっとも頼りになる人間をリーダーに据え、終えたら褒章の対象となります。だから、変化が継続します。
チェンジリーダーに必要なことは「物事をよく知っていること」ではありません。知らないこと、気づかないことが発生しても、最後まで気合でやり抜き、不満や反発にぶち当たっても厚顔無恥にもやり過ごしてゴールで駆け込む強さです。そして、その強さこそが組織の変化する速度を決める重要な要素だと思うのです。
ちなみに今回は、お客様からは特段の文句はありませんでした。多分、「変える必要がある」ことを皆が認識している組織だったからだと思います。
正直一つのミスが収入減に直結する独立系コンサルの事業基盤の危うさを痛感する出来事でした。それでも、やはり「チェンジマネジメント」はきぼうパートナーにとって大きな売り物にし続けたいと思っています。変える勇気、変えきる体力は今の時代に重要であり、そして多くの会社が必要としているものであるからです。