ブログ

実録再生トナー運用(プリンタメーカーと対決編)

以前、お客様でレーザープリンター導入のお手伝いをした話を記載しました。こちら。今回はその続報です。

その後、順調に運用が進み、インクジェット機の新品インクが月額7万円、9万円というような月はなくなっているように見えて安心していたところ、2週間ほど前から「印刷物に線が入る」という連絡が入りました。開けてみると感光部のマゼンダ部分の露光レンズにシアンのトナーが散っているのがわかりました。

そこで、再生トナーベンダー(何年も前から協力関係にある方なので)に私がお電話して、疑い例ということで一旦新品に無償交換してもらい、不良の疑いのものはメーカーにて検査していただくこととしました。これが最初のステップでした。

しかし、状況は改善しませんでした。さすがに2個続けて個体不良ということは考えにくいので、今度はメーカー(エプソン)の修理を依頼しました。まだ、買って半年以内だったので無償修理期間だったのですが、その時私は所用で立ち会えなかったため、社員の方に対応をお願いしたところ、予想通りのいい加減対応でした。「再生トナーが原因だ。清掃したが、次回は有償修理」と修理伝票には書いてありました。別に初回からトナーが原因ならばこちらは有償修理で構わない、なぜならばトナーが原因であるならばトナーメーカーに修理代が請求できるから、と社員の方にはお伝えしていたのですが、意味が通じていなかったようです。そして、トナーが原因であることはめったにないのが実情なのです。

もちろん、事態は改善しませんでした。それは修理できたエプソンのK氏もわかっていたはずです。トナーが噴き出すのは、トナー自体ではなく、トナーの搬送過程に原因があるのですから。

翌日、今度は再生トナー側のメーカー技術者に来てもらい、トナーが原因ではなく、プリンタ側であることを確認してもらいました。その日も私は来訪される時間に別件があり間に合わなかったので、今度は私がこれまでの経緯と分析内容を文章にし、社員の方に託しておきました。トナーメーカー側の対応は2時間ほどかけて新品トナー、新品感光体に変えながら検査し、しかも新品感光体を置いて行ってくれるという丁寧なものでした。ちなみに1度目の交換したトナーの検査報告も昨日届いたのですが、分解検査の結果正常というものでした。

その直後にメーカーに再度修理依頼して、私が夕方まで残って決着をつけてやる、と意気込んでいたのですが、ちょっとその直後に私事で問題が発生し私は退社させてもらうこととなりました。ただ、同じことが繰り返されることは目に見えていたため、社員の方に、「担当者が来たら私が電話で対応するので、電話してほしい。」とお願いしておきました。

夕方4時過ぎ、結構私は私事で大変な状況だったのですが、社員の方から電話がかかってきて、エプソンのK氏と電話で話しました。

Epson「再生トナーが原因です。」

私「事実がそれならばそれでよいのですが、再生トナーの何が原因でどこがどうなったのですか?」

Epson「メーカーとしては再生トナーは純正品と成分が違うので起きたとしか言えません」

私「では修理はしないということですか?」「純正のトナー、感光体に変えてテストしても状況は改善しなかったということはお伝えしましたよね?」「一度再生トナーを使ったので、それにより何か変性やつまりが生じたということですか?」「それも確認はされないというご方針ですか?」「それでは再生トナーが原因とは断定できないのであり、再生トナーでは修理しないと言っているだけではありませんか」(一気に冷静にしかし声を大きめに畳み込む)

Epson「交換部品は持ってきているんですが、次回以降は有償になりますよ」

私「原因が再生トナーと特定できているならば、今回も有償で結構なんですが、原因が何かもわからず言っているのではありませんか?」「言っていることわかりますか?再生トナーが原因と特定してください。ということです。」

結局部品交換してもらって症状は改善しました。素人目にも部品故障が原因なのは明らかだったからです。その故障の原因が連続印刷による加熱だったのか?それとも再生トナーだったのか?はわからずじまいです。また、修理伝票には私が、「再生トナーが原因なら有償でいい」と言ったのに、「次回から再生トナーなら有償」と自分に都合よく書いていきました。

でも、いいんです。再生トナーによる節減額はプリンタ(市価で4万円代)をその場で買い替えても十分元が取れるぐらい大きいからです。あるいはもう一台置いて交互運用し、純正インクで使用しているインクジェットを廃止してもさらに費用が削減できるし、運用停止も防げるしトナーは共用できるのです。

再生トナーを使い続けて効果を出すには、時にこうしたメーカーの嫌がらせに負けない対応力、そして割り切りが必要になります。割り切っても大幅に経費は削減できます。ただ、そういう経験のない人にメーカーに話をつけろ、と言ってもそれはなかなか難しいわけで、結局そこも含めて私たちがお手伝いしなくちゃならん、それも含めての「施策提案した責任」だと思ってやっているわけです。面倒ですが、こうした一つ一つが体質改善に繋がるものです。

なお、今回の件を踏まえると、東京だけなのでまあいいかと初期費のやや安いエプソンを提案してしまったのですが、やっぱりキャノンの方が良かったかなあ?と少し後悔している部分はあります。再生トナーに対する姿勢は同じなのですが、キャノンの方が一般に修理代が安く、対応が素早い傾向があるからです。

また、ちゃんとした再生トナーメーカーに対応の早さと誠実さということはもっと世の中に知られるべきだと思いました。

日本はトナーが海外に比べて非常に高く、また再生トナー率もまだ非常に低い(海外では再生品が半分以上という国が多い)のですが、その理由の一端が今回の事例でも見えました。強く出られても強く出返さなければ自分の権利は守れません。

なお、前回の記事でも取り上げましたが、「有償」になるだけで「修理しない」ということは最終的にはメーカーは言えません。そのことを知ったうえで交渉することが必要です。

関連記事

  1. 経費削減講座13 賃料
  2. 過去の不況に学ぶ
  3. 「新電力」のその後
  4. 中小企業にAMAZON BUSINESSは使えるか?リベンジ編
  5. ヨソモノ、ワカモノ、バカモノ
  6. 経費削減講座8 電気代①
  7. ストックエコノミーを実現する⑥~計画倒れに終わらないために~
  8. 中小企業が今すぐできて効果があること
PAGE TOP