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経費削減講座17 キュービクル

 私は、関西出身なので、「関西電気保安協会」のCMの「ほーあんきょーかい」の節は40年たっても覚えています。その頃は何の会社なのかわかっていませんでしたが。

 【キュービクルって何?】

 電気代の解説のところで、電気には「高圧」と「低圧」(実は、その上に特別高圧というのもあるのですが)があるというお話をしましたが、その「高圧」というのは、送電線(6000ボルトで送電されている。)からそのまま、建物内に電線を引き込み、電気を利用する契約です。ちなみに「低圧」は電柱上の「トランス」(大きなポリバケツのようなもの)で100ボルト、200ボルトに変圧してそのまま家屋へ引き込みます。

 6000ボルトで受電しても、ほとんどの機械類が6000ボルトで動くわけではありません。やはり照明類は100ボルトですし、多くの機械は200ボルト、工作機器類も数百ボルトで動作します。そのため、そのための変圧と配電の仕組みを高圧電力のユーザーは自分で用意しなければなりません。この仕組みが「キュービクル」です。

 キュービクルは、タンスぐらいの大きさの鉄の箱が屋外(都心部だと屋上にある例もあります)においてあり、新しい機種は外からメーター類が見えることも多いです。社長さんとお話ししていると、このキュービクルが「東京電力」などの地域電力から提供されている、保守されている、と勘違いしている方もおられますが、これは多くの場合、建物側で設置した私有の「電気工作物」です。 

 キュービクルには高圧の電気が流れており、故障すると火災や感電の原因となるため、エレベーター同様に年1回の法定点検が義務づけされています。また、高圧ユーザーは、電力会社に、「電気主任技術者」を選任し、届け出る必要があります。

 もっと正確にいうと、キュービクルなどの「電気工作物」、大きいものでは発電所や変電所の設備から小さなものではキュービクルまでを含みますが、これらは電気主任技術者を選任し、電気工作物の適正な点検、管理に当たらせる義務があります。ただし、7000ボルト以下、つまり高圧の通常のキュービクルなどの設備では、この電気主任技術者を外部の技術者に委託することができ、多くのユーザーはこの制度に基づき、キュービクル保守を外注しています。

 また、年1回の法定点検だけでなく、協会の基準として安全に使うために毎月の点検が推奨されていることと、これを遠隔監視などの方法により間引くことが可能、というのもエレベーターと同じです。

 

この保守作業は、1995年に自由化されるまでは、各地方の「〇〇電気保安協会」が独占していました。また、各地方の電気保安協会は電力会社と強い結びつきがあり、現場業務のOBの再就職先でもありました。一番電気保安電気業務がたくさん発生するのは、大量の発電、変電、送電設備を有する電力会社だからです。

そのため、前出の社長さんの誤解は、95年ぐらいまでは一般的なものでした。当然、その当時のキュービクル保守は、価格競争のほぼない、定価での提供が当たり前の「公共料金」的性格を有するものでした。

 

【自由化後】

そのキュービクル保守も自由化されて20年以上がたち、多くの会社が価格とサービスで競争し、それをユーザーが選ぶことが当然の世の中になりました。それでも、まだ非常に多くのキュービクルが自由化前から変わらずに地域別電気保安協会にかなりの高値で保守依頼されています。

これらは別の会社に保守会社を変えるだけで実は半額程度になる場合があります。

 

 ただし、保守会社はどこでもよいか、というとそういうわけでもありません。まず、一点目としては、7年というような超長期の契約、あるいは契約の一部を別にリース化してそれを7年のリース契約化しているような会社がありますが、これはやめるべきです。同等の機能を一年契約でも提供している会社は普通にあります。

また、別のチェックポイントとしては、キュービクルも絶縁状況を遠隔監視するような仕組みを導入し、その分毎月の点検を隔月にするような仕組みの普及が進んでいます。一部の電気主任技術者は高齢化し、この仕組みの導入と監視の運用についていけていないようなケースも見られます。この遠隔監視は対応品質も向上しますし、費用の低減にもつながるので契約改定時に取り込みするべき要素であり、これに対応できない技術者は淘汰される運命にあるといってよいと思います。

 

【キュービクルの設置・更新】

キュービクルも20年ぐらいたってくると、各方面から更新を勧められることが多くなります。エレベーターのような大きな力の加わる駆動はないものの、絶縁部品などは定期的に交換が必要になり、その額がだんだん増えてきてしまいます。最終的には更新が適当という時期が来て、キュービクルの更新にはかなり大きな費用が生じてしまいます。ちなみに、年次点検で「是正が必要」と保守会社に書かれた修繕項目は速やかに是正しないと本当に火災等の危険があるので危険です。

そもそもこの設備の設置、保守、更新のコストを電力会社ではなく、ユーザーが負担する代わりに高圧ユーザーは低圧ユーザーに比べて安価に電気を利用できているという性質もあるので、これはまずは予期して積み立てなどの対処をする、というのが基本です。

 

そのうえで、設備の修理、更新をキュービクル保守の会社でしなければならない、という義務はありません。私も何十と契約書を読んできましたが、そのように書いてある契約書はみたことがありませんので、複数の会社に意見を聞くことをお勧めします。

その際、キュービクルには、「設備容量」と「非常用電源」という二つのコスト要素があります。設備容量については、施設の開業当時のままというわけではなく、利用内容も変わっていると思いますので、今までの容量が本当に適当だったのか?もっと縮小できないのか?を確認してみるとよいでしょう。

 

実は、キュービクルには中古市場があります。キュービクルにある程度耐用年数がある以上、中古が割安かどうかは断言できませんが、初期費用を抑制する、という意味ではそういう選択肢もあります。ただし、設置のための建築工事、電気工事代が本体代とは別にかかることには注意が必要です。

 

それから、先日、雷雨の際、近くのディスカウントストアに行きましたら停電していました。私の家も一瞬停電したようで洗濯機や炊飯器がリセットされていました。ところが、そのスーパーの従業員は、どこに何を連絡したらよいかわかっていないようで、本部に時間マネージャーが電話して…という様子を見ていました。店内はだんだん蒸し暑くなり、暗い中、UPSのつながっているPOS1台に長蛇の列ができていました。

翌日、そのスーパーへいくと大きな張り紙で「大量に冷蔵冷凍品を廃棄してしまったので、お盆中ということもあり欠品中」と書いてあり、肉や豆腐は一点もありませんでした。キュービクルが故障していたのかもしれませんが、多くの場合は決められた手順で再起動すればよいはずです。また、故障していても、キュービクルについては火災等の危険があることから24時間対応ができる保守会社が大半ですし、そういうところを選ぶべきです。廃棄した在庫は何十万円分もあったことでしょう。業者との連絡体制の確認はもちろんのこと、店舗へのフローの周知をマニュアル化しておかないといけません。

 

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