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経費削減講座18 マット類、清掃

 前回まで、建物の維持修繕関係の項目をエレベーター、キュービクルと続けましたので、今回はこれに関連して、マット類と清掃という建物維持業務系のご説明をします。

 【マット類】

 マットやモップをレンタル会社から借りている会社は多くありますが、多少の割引を数量に応じて受けている会社はありますが、そうそう大きく下げられるものではない、というのがここ数年の大企業の事例を見てきた印象です。

 むしろ、どこになにがあるかを一覧にしてみると、2,3割は「これいらないんじゃない」というものがあり、実際減らしてみても何も問題が起きなかった、というようなケースが実に多いです。例えば、従業員通用口にもマットがあったり、厨房の出入り口の前後両方にマットがあったり、というようなケースがありました。「いらないんじゃないですか?」と現場にいうと、一言目には反発して「いる」と答えるのですが、少し考えてみると、費用対効果で「やっぱりいらないですね」、と後から言ってくれるケースも何回かありました。まずはこの辺から見直すのが定石であると思います。

  ある有名な小売業の会社では、マットを全部、自社で購入されて自社でマットの清掃されていました。確かにホームセンターにいくと安く売っていますので、レンタルを利用するより一定期間で買いかえても安く上がるのは事実なのです。(性能の問題は別として)たくさんの会社の伝票を見ていると、こういうすごい会社もあるのだなあ、と思うことがあるのですが、その中でもよく覚えている事例です。

ちなみにマット・モップ等この分野は最大手は言わずと知れたダスキンなのですが、ダスキンの場合、代理店制度をとっているため、広域の複数店をまとめて交渉するということがなかなか難しいところがあります。(より大手企業になるとまた方法はあるのですが)その場合は他社も検討するべきでしょう。

また、人気の「オーダーマット」ですが、本当に必要か考えてみてください。これは価格も上昇し、契約も長期化固定化する一つの大きな要因ですが、ご自分が行かれたお店がオーダーまっとだったかどうか、皆さん覚えておられますか?私はそのお金は、同じブランド遡及するならば、別のものに投下したほうが良いと思っています。

 

【清掃類】

 清掃類を現在、外部に委託されている会社でこの費用を下げる検討をする際、まず、どこをどのように清掃し、それに何時間程度をかけているかを社で把握できているかどうかを確認してみてください。この手順や基準の記載されているものを清掃仕様書といって、多くの受託会社は何等かのかたちで交付しているはずです。また、作業をしてもらっている時間は、実際、1週間計測すればわかるはずです。ない、としたらまずそれをもらうところから始めましょう。

  実は、清掃類はここ数年、運賃と並んで値上げが進んでいる項目です。理由は人件費の上昇です。特に近年、20時間以上のパートタイム勤務者の社会保険加入が義務付けされたことと、この実施の指導がきちんとされたことにより、賃金以上に請負会社の負担が増えています。

 ただし、これは社会として正常、当然のことであり、このコストは外注する以上適正範囲で負担するべきものだと私は考えます。他の項目でも出てきましたが、ここが重層下請け構造になってきて、何もしていない会社が利益を抜いている、というような状況ならば、その構造を改め実質的に業務を行っている会社に直接依頼するのが正しいと思います。そのような会社はネットの時代、きちんと見つけることができます。

 

 また、改めて、費用を見直すと、そんなこと必要なの?という内容を見受けることが多くあります。たとえば、「業務室内の掃除機かけは勤務時間外」は本当に必須条件ですか?そんなことしたら、高くなるのは当然です。あるいは、「机の上の雑巾がけ」は外注すべきことですか?また、机のわきのごみ箱にみんなまとめて捨てて、それを外注先の方が収集分別しているような会社もありますが、再資源化できるものや売却できるものは自分で分別し価格交渉したほうがよい、というのはごみの項目で記載したとおりです。

 

【定期清掃】

 上では、日常清掃について記載しましたが、商業施設や医療施設ではこれとは別に床のワックスがけなど(剥離清掃)を月間1回行うような「定期清掃」を行っているケースがあります。これは、数人がかりでの作業になり、資材類も要するため、日常清掃よりも一般に高額です。

 評価の仕方は日常清掃と同じなのですが、最近はこの剥離清掃の頻度を下げられるような床面加工が導入されるケースも増えていました。考え方としては、自動車も昔はみんなワックスがけをしていましたが、今は表面のコーティング処理加工を納車前に行うケースが多いように、建物も、表面のコーティングを行うような方法です。実際、これを導入している大手家具チェーンを知っていますが、費用面以外にも美観の点でも優れた方法です。ただ、加工の初期費用と時間は要するので、新店準備と合わせて行うとよい方法です。

 このような「新技術」はいろいろな分野に数年ごとに現れますので、そのトレンドを調べてみる、というのがまず自社で検討する第一歩だと考えます。

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