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3年で世界は変わった。(きぼうパートナー3周年に当たって)

 先週7月7日で創業3周年。きぼうパートナーは4年目に突入しました。これも、いろいろとお声がけくださる経営者の皆様や事業パートナーの皆様のおかげであり、大変感謝しております。夢中で走り続けて来て、アッという間の3年間でした。
 会社をやめる前に比べると、時間で倍、量でいれば、3,4倍働いていると思うのですが、嫌なことはやらないで済むせいか、毎日楽しく仕事ができていることを本当に幸せに思っています。

 さて、私は、よく「10年前を思えば、市場はかなりのスピードで変わっている」「それに対応して会社を変えていくことが、経営者の最大の役割である」ということをことあるごとに言います。私の役割を「方向を変える力積を組織に与える」という言い方をすることもあります。(理系出身の経営者向けの言い方ですが)
 この3年のうち、約半分は、コロナ禍の中にありました。その前から人口減少や、国際競争力の低下、それに経営の世界では内部統制やガバナンスに関するルールの強化、それに残業規制など、経営をめぐる環境は、「どんどん難しくなる」状況でしたが、コロナ禍により、5年、10年分の変化が一気に起きているような状況になりました。そして、この変化は「不可逆的です」と何度も言っているのですが、まだ、「そんなことはない」と思っている経営者が相当いることには、苦笑を禁じえません。

 というわけで、今日は、3周年記念で、中小企業が今対応しなければならない時代の変化ベスト3をご説明したいと思います。

1 リモートワークと残業削減

 あなたが、リモートワークを効率的と思うか思わないかは、この際関係ありません。子供がいる世帯、特に女性を中心に、堅実で正確な仕事をする人に継続して勤務してもらおうと思ったら、もうリモートワークを大幅に取り入れざるを得ません。彼ら彼女らは、優秀な人から順に「リモートワークができる会社」に移動するからです。対応しなければ、若い優秀な人を余計に採用できない劣化した組織に向かって今まで以上のスピードで進むだけです。

 ですから、リモートワークを可能にする業務の内容の変更やITツールの仕組み、成果だけを計測し評価する人事評価制度、ツールを用いて効率的に成果を引き出す管理者に変えざるを得ません。具体的にどうやりますか?わからなければご相談ください。

 同様に、残業の削減、というか0にするということも、この3年でかなり急速に変化してきました。こちらは昔から無駄が多かっただけ、という気もしていますが、残業はしないのが当たり前で、子供の送り迎えができるということが、男女とも働く場所を選ぶ理由の中で重要性を増していて、転職面接の際にも、状況を聞かれることが多くなっています。

こちらは、単に減らすのではなく、「不採算、低効率な業務をやめてしまう」見切りの力が経営に必要になっています。ちなみに私の経験では、残業時間と販売利益、残業時間とアウトプットは、むしろ反比例です。ダメな人ほど残業する傾向にあります。ですので、成果主義を取り入れて、残業を規制すると、成果の出た人の給与は増え、ダメな人の給与は少なくとも残業代分は減ります。
 これが経営者としてのゴールになるはずです。

2 EC化、webミーティング化

 先日も、いまだに「コロナ禍が収まったら中国に行って工場視察しなければならない」とお付き合い先の経営者が言っていたので、「一年先延ばししても大丈夫なことだったんですね」と刺してみました。
 実際、発注している商品の品質が不安定化してきており、「今までのやり方での監査」ができないことによる悪影響はこの会社で現実に出て来ているのです。

 上の続きです。「あと一年近くかかるかもしれませんね。それに2週間の隔離はそのあとも続くでしょうね。あなた、そんな無駄に中国で2週間も過ごせないでしょ。工場はwebミーティングでは事実を隠すとか言っていないで、やれる方法を新たに生み出して試行錯誤しなければならないのを1年間放置したんじゃないですか」
 変わらなくてはならないことを先延ばししているのです。

 一方、消費者の買う手法も、休業や買い物お出かけを控える動きの中でネットへ大きくシフトしました。昨年1年間の伸長は、全業種平均で17%程度(富士総研調べ)とみられ、今年も二けた成長をするとみられています。17%と言うと意外に小さいと思われるかもしれません。しかし、自動車や住宅のような、まだEC上の取引がほとんど行われない業種がある中での平均値であり、かつネット対応が遅れている、人口比で最大勢力(で、近い将来退場する)の高齢者層を除いて、それでもこれだけ伸長していることは重い事実です。しかも、高齢化、人口減少により市場全体が伸長しているわけではない市場が大半の中で、です。

 このことが意味しているのは、「ネット以外」の売上が減少してネットに食われる現象が顕著になりつつある、ということです。
 ただし、これは、すでにECに進出している企業の繁栄を保証するものではありません。市場の拡大に伴い、「キチンとした売り場と対応」に投資を行えるお店だけが生き残り、その余力が経営戦略的に、あるいは経営規模的にない事業者は淘汰の波が押し寄せています。リアル店舗でも90年代以降、大規模店が個人商店を淘汰していき、ロードサイドの大型商業施設が駅前の大型スーパーを淘汰していったわけですが、それと同じことがネットでもこれから起きるということです。

 また、ネット上で販売する限り、「卸」の機能は基本的に必要ありません。これまで「仕入れて売っていた」店舗はどんどん苦しくなっていき、メーカーが製造直販する流れが強まっています。卸中心の会社は「価値」の置き方を抜本的に見直す必要があります。

 以上は、ToCでの動きですが、実は、ToBは、ToC以上にネット化の動きが進んでいます。電話や訪問では、「相手はリモートワーク中」であり、また感染拡大防止のため、訪問は避けるという流れは当分続きます。正直言えば、感染拡大は関係ありません。必要ないし、効率的ではないので、時間を取られる方はそう言い訳するだけです。
 その中で、低コストで説明し、販売し集金するために、ECのノウハウを取り入れることが必要になっています。足で稼ぎ、口八丁で口説き落とす営業の時代、そしてアウトバウンドコールセンターの時代は突如終わってしまいました。

3 SDG’s 社会的責任と公正

 これはコロナとは直接は関係ありません。この10年ほど、大企業を中心に、企業の社会的な役割をアピールする場面が随分と増えました。それを整理するのに、便利なSDG’sという概念が急速に普及したのもこの2、3年のことです。

 少し前までは中小企業にとっては、こんなものは無縁のもので、ひたすら、大企業から低単価で受注して長時間の奉仕的労働でそれに耐える、というのが日本の中小企業の姿であり、そういう「耐える」(一般には頑張る、とこれを称するわけですが)中小企業をつぶさずに延命することが日本の産業政策の中で大きな位置を占めていました。
 しかし、産業全体の国際競争力が低下する中で、こうした「保護政策」は限界に至り、昨今では「事業再構築補助金」のような形で、中小企業に「事業の抜本的見直し」を要請する動きが強まってきました。

 中小企業が大企業の下請けではなくなり、自ら営業と商品企画を行う時、中小企業もまた、自身の事業の価値を広く社会にアピールすることが必要になり、その中では、SDG’sも中小企業にとって、扱うべきツールになってきました。
 一方で、社会は、「公正」ではないことに対して、一層監視の目を強め、いったん不公正な動きが表ざたになると「ネット世論」が巻き起こり、徹底的に叩かれて評判を落とすだけでなく、事業撤退に追い込まれる、というような事例が世界中で起こるようになりました。

 世界がインターネットによりショートカットされ、そして短気でリジッドであることを求める動きが強まり、中小企業も例外ではなくなっています。その中で、価値をアピールするというだけでなく、防御策としての「社会的公正」のセンスを身につけていくことが必要になってきていることを感じています。

 きぼうパートナー4年目は、こうした変化に対して的確に対応していける提案と、その実施のお手伝いを引き続きお客様にしていきたいと思います。今後ともご愛顧を賜りますようお願いもうしあげます。


 

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