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経費削減講座7 複合機・プリンター

皆さんの会社には複合機(コピー機)はありますか?日本では多くの場合、本体をリースで購入され、さらに保守料の名目でモノクロ、カラーそれぞれで1枚いくらかの料金を使用料に応じて取られる、という利用パターンが大半です。  確かにいろいろな機能がある複合機はとても便利ですし、機械に詳しい人が社内にいなくても、調子が悪いと来て見てくれるという仕組みは技術者がいなくても安心して使える仕組みです。しかし、私たちが明細を見ていくと、ほとんどの会社で利用料の90%以上はコピーではなく、PCからのプリントアウトです。複合機といいつつ、プリンターとしての用途がほとんどなのです。このページのアイキャッチ画像のように、コピー機の前で作業をする光景というのは今とても少なくなっています。

【複合機以外の選択肢は?】

複合機は本体も数十万円以上するものでそのうえ、利用料も取られます。たくさんの事務所のある会社に伺うと、複合機の料金を交渉したい、という要望が強いのですが、やみくもに交渉するのは得策ではありません。下がらないのだったら、「他の方法に移行、併用するよ」「他の機種に変更するよ」というBATNAを用意することがまず最初にやることです。  BATNAとは交渉学の概念で、「Best Alternative To a Negotiated Agreement」の略で、「交渉がうまくいかなかったときに、採用するであろう最善の代替策」のことです。これが具体的で実現可能性があればあるほど交渉は容易です。私は交渉アナリスト1級の資格を有して、お客様のお手伝いをしているのですが、このBATNAの準備こそが私たちの仕事の神髄です。  例えば、複合機の利用の90%がプリンターだとして、複合機が50万円するとしたら、そのお金でA3対応のカラーレーザープリンター2台とスキャナーを1台買ってもまだおつりが来ます。そして、レーザープリンターを再生トナーで運用すれば、明らかに複合機よりも印刷量当たりの費用も安くなります。不調になっても、2台あれば、1台を修理に出して1台で業務は継続可能です。

例えば、これをBATNAとすることができれば、交渉は容易になります。 コストダウン作業は、調査と事前の準備が8割です!

【再生トナーの話】

社長の皆様はプリンタメーカーの営業から「再生トナーがいかに危ないか」の話をお聞きになったことがあるでしょう。でも考えてもみてください。彼らが「再生トナーは大丈夫です。使いようです。」というわけがありません。日本の複合機、プリンター類は消耗品で利益を上げるビジネスモデルなのですから。 逆に再生トナーメーカーの営業のお話は聞いたことがありますか?ほとんどないでしょう。統計的には、再生トナーと通常トナーでの障害発生率は変わりません。むしろ新品の初期不良が再生トナーにはないというアドバンテージすらあります。また、ちゃんとした再生トナーメーカーは国内で生産し検査体制、コールセンターがあり、万一トナーが原因で障害が発生した場合には修理代を全額保証するサービスを行っています。私たちはそういう「大丈夫なメーカー」を自分で会って体制を確かめてお勧めしています。  実は再生トナーを使ったら修理を受け付けない、ということは実際には日本のメーカーでは起こっていません。日本のメーカーはそこまで堕ちてはいないのです。ただ、消耗品部分で利益を上げている営業が自分の権益を守ろうとしているだけです。  誰もが知っているような日本を代表する大きな会社でも再生トナーを大規模導入している会社は実はあります。ものは考えようなのです。

【複合機の適正価格は】

実は2016年秋以降、複合機業界はカウンタ料金(1枚当たりの料金)が大幅に下落しました。以前では信じられないような値段を中堅企業でも見かけるようになりました。  ここでの具体的水準の記載は避けさせていただきますが、それ以前の水準が当たり前と思っておられて、月額の利用料金が3万円を超えるような方は強く交渉するべきですし、大きく下げるという目標をもってメーカー変更をいとわず、見積もり取得することをお勧めします。

ただし、ここで気を付けなくてはならないのは、本体料金(例えば月額リース料金)とカウンタ料金の合計で判断しなくてはならないということです。特に小さな会社様で月額費用に注意が向いているあまり、本体価格でメーカーを結構儲けさせている、というケースも散見されます。特に使用量があまり多くない会社様、たとえば、月額1万円以下の使用料の会社様は強く交渉すべきは本体代です。月額費用は上述のように汎用プリンター併用という抑制方法があります。

本体代はメーカーによりかなり差があります。シェア上位のメーカーより、3位以下のメーカーのほうが安い傾向にあるのは事実です。機能に問題はありませんので、下位メーカーの見積もりも併せて取得することをお勧めします。カウンタ料を半分にするのはそれでも大変ですが、本体代が前回の半分以下になる、というケースは実は結構あります。  また、多くの場合、60回リースを組まれているケースがあり、だいたい残り1年ぐらいになると、現メーカーが営業にきて、「早めに変えてくれれば安くなりますよ」という話をするのですが、複合機の場合、自動車や工作機械と異なり、リース途中でも新機種に変更するという方法が多用されます。他社でもリース途中で安くする提案は可能ですので、その場合は、「他社と比較検討する」と言い放ってください。

【印刷量自体を減らしたい。】

ペーパーレスといいつつなかなか減らないプリントアウトですが、実は出力される印刷物の2割前後が、ミスプリ、あるいは使われない余剰物である、という統計があります。カラーのはずがモノクロで出てきたり、A3のつもりがA4だったり、タイトル入れ忘れて注意されたり、とミスプリは後を絶ちません。

キャノンのレーザープリンター設定アプリには一度画面で確認してからでないと出力できないように設定するオプションがあります。これを設定させて、ミスプリを減らす運動をしている会社も上場企業であります。お金のかからないスマートな方法です。 複合機でも同様にセキュリティを主目的なのですが、自分で機器まで行って操作しないと出力できないようにする機能があるケースがほとんどです。これを使うと一割程度出力量が減る、というデーターがあります。こういう方法を使って出力量を減らすと、紙代も減りますので効果があります。

プリントアウト関連では、他にもビジネスインクジェットや、価格交渉での価格体系の選択など様々な要素があるのですが、これらはまた別の機会にお話しすることにします。 だいぶ業界のネタバレをしてしまいましたが、それでもお手伝いが必要でしたら、請求明細とリース契約をご用意の上お問合せください。

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