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こういう仕事(⇒一言でいうと経営コンサルタント)をすると、「分析して立派な報告書を出してうん百万円取られる仕事をする人」という誤解をよく受けます。しかもその報告書は、ヒヤリングした内容を他社で使ったひな形に適当にコピペしただけのもので全然使えないものだった、というようなことを私がやったのでもないのに、私が苦情を言われたことも某東北の上場企業であります。私、テレアポで訪問したわけでもなくて呼ばれたから行ったのに!よほどひどい目にあったのでしょう。見せられた報告書は若手がパターン化された営業と業務を業界別にこなすことで有名な上場コンサルタント会社でした。

これは世の中でいかに、「経営コンサルタント」が使えないと思われているかを如実に表す例ですが、現実にそういう要素は世の中のコンサルタントには多分にあると思う。私自身が企業勤めの時にもコンサルタントに発注したことは一度もありません。こういうコンサルタントに頼んでも、なんとなく納得することはできても、実際の売り上げは上がらないし、経費は減らないと思っていたからです。普通のコンサルタント会社には「それは自分でやってください」と言われて終わりです。(だから私は企業勤めをやめる前はお客様に代わって実際に経費を減らして、そこから成果報酬をいただく仕事をしていました。)

実は、同じような「意味ない外注、仕事(⇒実は利益増に直結していない仕事)」は今の世の中にたくさんある。たとえば、インターネットの広告運用。お金をかければ確かにwebサイトへのアクセスは増える。そこまでは業者も相手をしてくれるしレポートもくれます。そしてものすごい額の費用が広告代以外に運用費として取られます。しかし、アクセスが増えたからと言って、売り上げが増えるわけではありません。いや、そこには全然リンクがないと言った方が実態に近い事例が特にBtoBでは多いのです。業者は認知はされたからそれは成果だと言いますが、顧客の中でそのセグメントでNo1に近い存在としての認知でなければその認知はないも同然です。実際にはそこが問題なのにそこに責任を持ってくれる業者はいません。(いたら、お客さん紹介できるのでぜひ連絡ください。)そういえば、広告見たけどあれ何だっけなあ?と思って、少したってから検索しても、もう予算が尽きて広告出稿はされていないのでしょうから、別の大手の競合商品に行きあたってそれを調べているようなケースは皆さんありますでしょ?

BtoBのビジネスで「きれいなデザインのwebサイトやチラシ」に何十万円もかけるのも、私は業者や発注する「企画係」の自己満足だと思っています。実際には売り手も読み手もそんなに高い感性は持っていません。難しい言葉を使わずにできるだけ少ない文字数で具体的な効果をきちんと伝える、ということは必要だと思いますし、稟議書に引用できるような比較表や効果の箇条書きも有用だと思います。しかし、それも、今週4万円でデザインして来週500部投下して改善すべき点をまとめて来月少し改善してまた使用することが営業上は必要なのであり、きれいなものが1か月後に50万円かけて出来てきても、特に変化の激しい中小ベンチャーではそのころには伝えたいメッセージは変わってしまっています。そんなデザイナーや企画担当に意味はないと思います。

何が言いたいかというと、企業の目的である「なるべく値引かずになるべくたくさん売る」ということに、コンサルタントや委託業者、社内の「企画担当」というような「営業よりも賢い」と自分でも思っているような人は実は全然コミットしていない、と思うのです。そして、自分のやりたいような頭に汗する仕事を全力でやって自分で充実感を味わっているが、それは全然会社のためになっていない、そういう事例が多いということです。

もちろん、ある程度の計画・企画は必要です。しかし、それは「当たるから」ではありません。そのこともコンサルタント等「頭のいい人」にとっては大変不都合な真実です。頭がよかろうが良くなかろうが、初めて試みる市場投入は「大して当たらない」のです。唯一当てられることがあるとしたら、それは「今月売れていたものは来月も同じ程度売れる確率が高い」ということです。だから本でも映画でも、ゲームでも、「続編」を収益の中心において経営のベースを作り、その収益見込みの中で大けがをしない範囲で新作にチャレンジするしかないのです。このことがわかっていない「頭のいい」人は、常に新しいことをやる自分に酔うのですが、業績は改善せず周囲は疲弊していきます。90%のルーチンの収益が10%のチャレンジを可能にするのであり、90%のルーチンをいかに収益性を持続させ、人員を保持して生産性を改善していくかこそが中小企業では一番大事なことです。

そして、10%のチャレンジは大抵失敗します。しかし、失敗して終わりではなく、そこから商品とやり方を改善していくことで少しづつ正解に近づいていけることが一定割合はあります。これも、「PDCAを回せば常に成功に近づける」という誤解を与える言い方をする人がいますが、「正解」の過半数は、「比較的早期の撤退」であり、「成功」ではありません。いろいろ工夫してみたが到底主力商品にはなりそうにない、というものはたくさん生じます。それでもたまには成功するものも起きます。でも、それが成功した理由を後付けすることはできても、実際には、「たくさんのものを必死でPDCAをできるだけ早く回してみたけど、そのうち、運に恵まれて初期にうまく軌道に乗ったものが成長した」というなんだか、コンサルタントにとっては存在意義が疑わしいような状況が実際のところなのです。

こうした中、何が売上を決め、改善速度を上げるかというと、「考える量」では全然なく、「顧客と接する量」です。先ほどのデザイナーの例でいえば、パンフレットは多少稚拙でも、1か月早く仕上げてその間数十の顧客に説明に言って問題点を知り改善した方が立派なパンフレットを作るよりもよほど良いということです。

さらに言えば、「商品を改良」することにあまりコストを割きすぎない方がよい。マーケティングターゲットにピッタリである商品が作れればよいのだが、ターゲットは次々変わるし、同じターゲットでもあとからあとから不足点はたくさん見つかる。それを改善してから本格発売しようとしていては、発売はうんと先になってしまう。実際には、顧客の持っている情報は不完全であるし、判断も不完全である。詐欺まがいのことはしてはいけないし嘘は言わない方がよいですが、今より顧客の状況を改善できるならば決してベストではなくても改善できることを説明しに行った方がよいし、製品よりもマーケティングや販促の手法を改善した方がよいでしょう。

このことは、私が若手だった20年以上前から変わっていないと思うのだが、特に最近は市場のはやりすたりや顧客の考え方がどんどん変わってしまいます。昔は、一度考えた商品施策は1,2年は改良しながらでも何となく使えたのだが、今はそんなことはまったく望めません。もって半年、走りながら変えながらです。半年ごとに大幅なマーケティング、あるいはプロダクツ自体の改良が必要である。そうなると、ますます企画とデザインに時間をかけることはもったいないのであり、お金をかけるべきは、市場投入のオペレーション自体、そしてそこからの方法論の素早い抽出と展開であると私は思っています。

つまり、どうやって数多くの顧客にアタックするか?そこから何を標準化するか?どうやって素早くそれをツール化し展開するか?にお金をかけ、時間を買うべきというのが私の現時点での結論です。そして、そのサイクルは1か月ではなく、3日、長くて1週間です。

それに対応して二人乗り自転車の後ろの席で一緒にペダルをこいで、坂道を前に「もっとちゃんと漕いでよ~」と後ろから前の席の社員に言うようなコンサルタントでないと、業績にはコミットできないと私は考えています。そういうわけで、アポ先を検討し、実際にアポを取り最初は自分で営業に行って見て議事録で知見を展開する、そしてそれをちりばめたパンフレットを1,2週で完成させる、そんな作業が弊社はとても多いのです。

いろんな商品のマーケティングを考えるのは楽しいものです。しかし、オペレーションの改善を加速することこそ経営者の方には重視してほしいし、私たちも底をまず強化し会社の収益基盤を安定化させることこそが役割だと考えています。

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