小さな会社の顧客DB構築編は一旦今回で最終回です。前回は、ツールを選んで、各部に記事を一つずつ持ち寄ってもらい、3つぐらいの記事でメールを構成する。それぞれ写真中心に注釈を加えるという姿勢で臨む、ということをお話ししました。③はこちら
これでやってみてください、ということなのですが、今回はこのサイクルを効果を出しながら、徐々に拡大するためにやると良い点をご紹介します。
顧客の新規登録で考えておくとよいこと
そもそも、何のためにこんなことを始めたか?というと、それは「顧客候補、あるいは顧客との長期的な信頼関係」のためです。それが現代においては、きれいごとではない、核心的競争要素である、というところからこのお話は始まっています。その辺は、この②で取り上げました。
そして、力づくで初回の配信リストを作成する方法を説明しましたが、それは初期値であって、これから先、商品、事業を成長させていく上では、何千何万という関心のある方に配信していけるよう、商品の成長と歩を合わせて配信リストも成長していかなければなりません。リストを継続的に同じように力づくで更新していくことは継続性を損なうと言ってよいでしょう。
そこは、前回紹介したような配信ツール(クラウドサービス)は、ほぼすべて、「購読申込フォーム」「解除フォーム」が簡単に作成できるようになっていて、自分のwebに埋め込んだり、ページを作成したり、あるいはポップアップさせることができるようになっています。英語のサービスでも、登録フォームを日本語にすることはできます。また、Facebookページを運用している方はこちらから登録を誘導する方法もサービス内に用意されています。
本来、メール配信サービスはメールアドレスだけあれば実施でき、入力項目はできるだけ減らすことが入力途中での離脱を防止するためには重要なのですが、それでもBtoBビジネスの場合は、会社名、部署名、役職名と電話番号は入れていただくべきでしょう。逆に個人の場合は、お名前と年齢、市区町村と「嗜好」を聞くことにより対応を分類することになります。会社名、部署名は、のちのち、配信内容を細分化した際に配信メールを分ける際に必要になります。
今回、私はあるtoBのテックベンチャーのこの情報配信サービスの構築をお手伝いしたのですが、そこでは、それぞれの狙いをもってこんな分類をしました。
つまり、関心のある方に限定して情報を配信できるようにしているわけです。たとえば、資金調達に関連するニュースは、上のうち、学術研究者以外に配信するですとか、技術ニュースは、学術研究者と部門が技術開発部だけに送るとかいうことを将来できるようにしたわけです。
また、次回以降できるだけ省力化できるように、ヘッダとフッタ、タイトルと、項目の区切りなどのスタイルをひな形化し、写真と本文だけ用意すれば配信できるようにしました。
web、SNSとの連動
せっかく作ったコンテンツは、メール配信だけではなく、webに掲載し、SNSからリンクを貼りましょう。これにより、検索にも引っ掛かりやすくなりますし、SNSでの関心がある人を誘導することもできます。ただし、いつもいつもこれをやっていると、メールを購読する意味がありません。配信する方からすると、最終的には相手の会社名、部署名、お名前がいただき、いつか直接アプローチする機会が欲しいのですから。つまり、一般情報のお知らせ、という意味では同じ情報を掲載すればよいのですが、メールサービス購読者限定のお得な情報、サービスというの必要ということです。
たとえば、β版の先行提供ですとか(これは関心がある方の試用をいただくという意味では会社側にも価値があります。)、割引サービスであるとかです。そして、そのような特典がある旨をSNSでも告知することにより購読に誘導するのです。
気を付けよう
以上、4回にわたり、メールサービスによる「中小企業でも月額1万円でできるCRM」についてご説明してきました。実際、私自身がこれをやってみて今日、一旦リストとシステム設定と、ひな形を納品しました。運用マニュアルは…この4回の記事を使ってこれから作成しないといけません。私自身、昔から何度も取り組んできたことなのですが、自分ではなくお客様が使うものとして設定し納品しようと思うと、だいぶ難易度も高く、またあらかじめ考えることも多かったので同時並行的に記事にしてみました。
最後に、きちんとまとめて書く機会がなかったので、もう一度メールアドレスの管理について注意事項として整理しておきます。