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「わからないと言わない」人を探す

お付き合い先で以前の担当者がある外部からの質問に対して「それは私はわかりません」と答えていて、それがきっかけでかなり大きな案件がダメになった、ということがあったことが梅雨時に判明しました。その取引先を掘り返して面会に行ったら、その話を苦々しくされました。相手の方がなんとかしたくて当時頑張ってくれていたのに、私のお付き合い先の方が簡単にあきらめていたらしいのです。

確かにそのデータは社内に整備された形ではないものでした。担当者もその分野の専門の人ではありませんでしたが、大企業に勤めていた人で賢い人でした。理解力や構成を考える力やビジネス経験という問題ではなさそうです。

私ならその時、「わかりません。ありません。」とは答えなかったと思います。ないなら作ればよいのです。社内の形になっていない散逸した取引情報を集めて手作業で表にして、それらしく見せて、そのうえで説明文をもっともらしくつけて無理やり形にして、あるふりをして提出したと思います。

その執念は狩猟本能とでもいえばよいのでしょうか…それは集団に対して働きかけると不正経理やパワハラの温床になるものでもあり、決して称賛だけされるようなものではないかもしれません。しかし、小さな社歴の浅い会社は往々にして内部はぐちゃぐちゃです。そのため、小さな集団が整理され大きくなる過程ではそうした突破力は欠かせないものです。そういう戦い抜く野武士が集まらないと、机上のマーケティング論とネット広告だけではブレイクスルーは得られません。

では、その「執念」の差はどこからくるのか?それは再現性があることなのか?あるいはその人の人生観によるもので育成が難しいことなのか?ということが、それからというもの3か月ほどずっと引っかかっていて、そういう目で人を見ていました。大企業経験者でもすごい人もいるし、中年でもすごい人はいる。もちろん、出身大学にもあまり依存しない。

これは「積極性」なのかというと、それも違います。進んで海外での社会貢献体験をしているような人であっても、自分のやりたいことには積極的であっても、降ってきたタスクに対しては必ずしも積極的ではなく、振り払うようにして捌く人もいます。そうだとすると、今の多くの会社の面接の「アピールポイント」としての学生時代の活動は何ら参考にはできないということになります。企業では、「やりたいこと」ではなく、「今解決すべき課題を解決するためにやるべきこと」をやらなければならないのであり、そこに個人のやるやらないの選択の余地は(辞める以外には)ありません。いかにやるかの選択があるだけです。

現時点で私は、この問題の正体は、「自分が選んだわけでもない(理不尽に降りかかった)目の前の問題にどれだけ当事者意識をもって取り組めるか?」が一つの要素であり、もう一つは、「わからないことを調べたり、その場で勉強したりしてとりあえず100点でなくても50点でいいと割り切り答案を書ききって、それを正解だと言い切る力」だと考えています。

ざっくりいうと、「知らないことへの好奇心」と「自分への信頼」です。そして、この二つはだいぶ外形的に判断選別できそうだ、ということもわかってきました。

①知らないことへの好奇心

このタイプは、職務経歴書にたくさん項目を書くタイプです。そして、推測で物事をしゃべる傾向があります、時に間違っていますが。そして、多弁で、一度作業しだすと結構止まらないで夜までやり続けます。その成果が使えるかというと少しずれていることもあるのですが。

②自分への信頼

従来の日本企業的な言い方をすると、自分勝手で摩擦を起こすタイプです。このタイプの人は、物事の話し方が「主体的」です。逆にそうではない人は、「客観的=他人事です。」そして、比較的自分の意見を言い切る傾向にあります。たとえば、「〇〇ではないでしょうか?」「かもしれません」というような婉曲表現が少ない傾向があります。また、社外のネットワークや人と交わる趣味などを持ってきて、社内政治を恐れないでもよいという具体的自信社内外の人生に掛ける比重のバランスが良い傾向があります。

そういわれてみるとこういう人はいますね…だいたい、3年で転職しちゃうような飽きっぽい傾向があり、いろんなことを手掛けて活躍するのですが、かといって完成させきるかというとないよりは全然いいけど完成度はあまり高くなく、本当の完成は専門家がその後を引き継いでやっているようにも見えます。

もちろん、それで問題が起きないか?というと起きます、それもたくさん。何もしないよりもたくさん起きます。大企業の一部では、「問題を起こさないこと」がその人の人生の短期的最適解に事実上なっているケースが見受けられますので、そのような場合にはこれは大企業病と同一視できます。しかし、求められているのは問題を起こさないことではなく、企業をより適正な状態に遷移させることであり、その遷移の過程でどのような発熱、摩擦があろうがそれは大した問題ではないのです。

多分、こういう人だけを集めても会社はうまくいかないし、こういう人がトップに立つとまたうまくいかない。そして、今の日本では、専門知識と人間関係のルールが重視される大企業では必ずしも活躍の場は多くないが、ベンチャーにはたくさん活躍の場があります。

そして、ベンチャーがうまく成長し、一つ一つの組織が大きくなると、企業は専門家の活躍する局面を迎え、こうした人たちはあまり面白くなくなっていくし、専門性の不足から評価されなくなっていく、という循環をたどることがおおくあります。そういう意味では気の毒な人材です。

しかし、こうした「バイタリティはある人」をデータベース化し、ベンチャーに1年単位でジョインする人材ビジネスというのも面白いと思っています。


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