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経費削減講座10 電気代③

電気代 その3 需要をコントロール

電気の話題は本当に覚えること、話すことが多くて大変です。本当はこれだけで10回分ぐらいありますが、皆さんの多くの方に関係のありそうなものと失敗すると痛いポイントに絞ってご説明することで、今回で電気のお話は終わりです。ここまで2回は電気代の料金自体、つまり、基本料金単価や契約電力、従量料金単価を下げる、という方法についてご説明してきました。新電力の隆盛によりこの方法は日本中で広く使われるようになってきました。確実に成果が上がるありがたい方法です。
しかし、電気だけでなく、コピー用紙にしろ、電話代にしろ、そもそも「使う量を減らす」ということが会社にとってはまず基本であるべきなのは間違いありません。それは私たちのような外部の支援者が立ち入ることというよりも、その会社の「利益を追求する体質」につながるお話であり、その会社の強さそのものであると思います。ともっともらしいことを書きますが、これは上場されている美容用品メーカーの役員から私がこの仕事を始めたころに諭されたお話です。失注先ですが、今でもこの方には感謝していますし、その言葉を忘れずに仕事をしています。

【オフィスで使う電気の対策ポイントは2つ】
もちろん、業種や営業形態によって差があるのですが、日本のオフィスで使用される電気の使用量のざっと4割が照明、ざっと3割が空調、その他コンセント(たとえば、パソコン等)が3割という統計が少し古いのですが、一般財団法人省エネルギーセンターが2009年に公表した資料「オフィスビルの省エネルギー」の中に記載があります。その後、LEDの普及やエアコンの省エネ化が進んでいるという事実はあるものの、他のものも省力化は進んでいることから、この二つが主要な対処対象である、ということは間違いないと思います。

照明とエアコン、この二つに対処することができれば、実は新電力採用以上の効果を上げることができるのです。ただし、設備の改善にかかる部分は、賃貸物件では家主様との交渉にもなるので自社で対処できる場合よりは自由度が低いこととなるでしょう。以下、それぞれご説明してまいります。

【照明】
照明については、LEDの話をする前に私の経験をお話すると、日本のオフィスは一般に明るすぎませんか?私が知る限り海外のオフィス、店舗はもっと暗いです。実際、オフィスの照度はJISに基準が存在し、7501000ルクスとされています。それに対して、多くのオフィスはこれを上回っており、さらにこれをその設置のまま、LEDに替えると2000ルクスに達している、という事例がある、というお話を、ご協力をいただいている一軒一軒照度計をもってコンサルしているような方が言っていました。
東日本大震災後に、蛍光灯を間引いているオフィスが時々話題になりましたが、これは見た目は悪いかもしれませんが、上のような必要十分性という観点からはある意味妥当です。(もちろん、ムラや演色など細かいことを言い出すときりがないのですが、そんなことが必要な職場も一部のグラフィック系のお仕事など限られるでしょう)
私の知り合いでスイッチを二つに分けて、それぞれ交互に半分ずつ電気が入り、二つともスイッチを入れると全部つく、ということをしている人もいます。ただし、工事代はかかります。

そんな前提の話を別にすると、照明については、LED化ということを検討するべき、ということにつきます。数年前に検討したが、効果が出ないのでやめた、というお話も聞きますが、LEDは私が最初に商品勉強会に参加した4年前に比べても現在の主力タイプは30%程度消費電力が減っており、本体価格も下落傾向にあります。蛍光灯の器具をそのまま使う40W直管型では、消費電力の節減率は70%程度に及びます。当時バランスが合わなかったのは、1社だけで高い見積もりだったからかもしれません。
チェックポイントは以下の点です。
・点灯時間の予測…16時間以下のところは効果が出にくいです。12時間以上のところは変えるべきです。
・見積書の管の消費電力が最新型か?安いからと旧型を見積もりされていないか?大手メーカーのwebサイトをみれば、最新型の消費電力はわかります。本稿執筆時点での40W直管タイプは12W台に競争が突入しています。17W台だったら…それは旧式の在庫処分品です。
・本体代、工事費は適切か
器具ごと交換するかどうかは考え方次第ですが、通常のオフィス、工場ではその必要はないと考えています。ただ、病院や介護施設などでは器具交換を選ばれているケースが多いのも事実です。LEDは工事費も高いので、本体代だけでなくトータルで評価することが必要です。わからなければ、複数見積もりを取るか、ご相談ください。
・配置は必要台数か?
台数はもっと減らせないの?と聞いてみてください。今の器具をそのまま置換しているような見積もり例も多くみられます。台数を減らせば初期費も維持費も減らせます。そこにきちんとした説明ができない業者は安くても使えません。
・支払い方法や期間は適切か?
LEDは一般に大変長寿命です。リースだけではなく、割賦やレンタルなどの方法の中で、同じ費用の中でももっともキャッシュフローを改善できるように期間を延ばし、利率をさげる工夫をすることも重要です。

なお、水銀灯については削減効果が非常に大きいため、例外なく早急に変更することをお勧めします。水銀灯自体、水俣条約という国際条約が発効したことで2020年以降の新規の製造輸入ができなくなっておりますので、いずれは交換が必要です。また、これに関連して蛍光灯も使えなくなる、と言っている悪質なLED業者が一部にいますが、これは嘘です。ほぼすべての蛍光灯は水俣条約の規制の対象外であり、供給は続けられます。ただ、LEDとの性能差がだいぶ開き、LEDの価格が下落しているので、検討価値が高まっているというのが事実だと思います。

【エアコンの対策】
エアコンの対策はさらに悩ましい問題があります。エアコンは(実は冷蔵庫などもその傾向があるのですが)もちろん、年々ヒートポンプの性能が向上している、という基本性能の向上が現在でも続いています。それとは別に、実は古いエアコンはコンプレッサーを中心に経年劣化で効率が大幅に低下する、という「不都合な真実」があります。
使用状況にもよるのですが、15年もたつと買いかえたほうがよほど安くなる、というのが現実なのです。そうはいっても高額なものなので、そう簡単にはいかないのも事実です。どうすればよいのでしょう?

あまり根本策はないのですが、
・エアコンクリーニングは少しだけ効果があります。その下で働く社員の評判もいいという副産物もあります。
・コンプレッサーの修復材が売られています。効果があるとメーカーは言っていて原理はわかるのですが、価格が高く中期的なコストパフォーマンスの客観的検証が困難でお勧めしづらいです。ただし、スーパーの冷ケースでお話してその会社のご判断で試用いただいたことがあります。結果は「特に判別できていない」(判別する仕組みを作ることが事実上できない)でした。
・買いかえるときにできるだけ低金利で長期支払になるような選択肢を選び、キャッシュフローの改善につなげる。
というようなことをお話しています。

【補助制度は?】
少し前まではLEDや高効率エアコンの購入への国や地方自治体の補助制度がかなりあったのですが、実は最近はかなり減少してきています。それだけ普及が進んできている、ということも言えます。私たちもいくつかお手伝いしたことがあるのですが、補助制度にはいくつか気を付ける点があります。

一つは補助金を利用するために見積書と性能の資料が必要である、ということを見積もり業者に依頼すると、業者は結構高い見積もりを提出する傾向にある、ということです。補助金の補助率は多くが最大1/3です。5割高い見積もりを出されてしまうと結局負担は同じ額で、その5割は業者の懐へ入る、ということが垣間見えるのです。これを回避するには「世間の相場」をあらかじめ知っておく必要があります。ただし、補助金の対象にできる機種にはいろいろ制限があり、その事前の調査が交渉に生かせないような場合もあります。
もう一つは税金を使う以上仕方がない面もあるのですが、すごく資料作成が大変です。時間もかかるし、そもそも勉強や調査も必要です。経営者にとっては、「いくら初期費がかかって、いくら電気代が安くなるのか?」がわかれば十分なのに、それ以外の記載項目がたくさんあります。これを手伝ってくれるような業者もいますが、もちろん無料ではありません。せっかくの1/3補助がそこでも削られます。

これらを乗り越えられるのは相当たくましい会社さんであり、スタッフが豊富か優秀か、ということになると思います。補助金は時間もかかりますし、選定されるかどうかの確率の問題もあります。最初から自社にあった低価格品を徹底的に見積もりし、コストパフォーマンスだけで選定して早期導入したほうが、時間とコンサル費払うより結果安かった、ということも実は発生しています。

電気代についていろいろ記載してきましたが、今回はこのくらいで。業界への忖度なく、遠慮なく書かせていただいたつもりです。

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