夏休み中の方も多いとおもいますので、久しぶりに、中国「トンでも」話を書いてみたいと思います。
1 「空調は空気を綺麗にする」わけないでしょ…
私が赴任していた会社の幹部は、中国の有名大学、それこそ清華大学も、武漢大もいました、の理系を中心としたエリートが集まっていました。もちろん頭はいい。そんな彼らも思い込みが激しいところがあり、なかなか曲げようとしないのが、これでした。
これ、日本に帰ってきてネタにしても日本でも何がおかしいのか半分以上の人がわかっていないのですが…エアコンは、外気と内気は交換されません。フィルターでごみを取るとは言っても、取れるのは埃レベルの大きさのもので細かい汚染物質は取れません。
それでも、彼らは「冷たい空気は綺麗」となぜか思う節があり、夏はもちろん、土地が乾燥して埃っぽくなり始める秋にも、「なんだか空気が汚れている」とか言い始めて空調を使い始めるのです。
これ、2010年頃、実は別の会社の副総経理も兼任していたのですがそこでも言っていましたから多分広く思いこまれています。
ちなみに深センは亜熱帯エリアなので、どこもすべて空調は最強に稼働されています。あと、これに類似したもので、「コピー機は有害なので、室外に置く」というものもあります。これは、昔の青焼きコピーの時の知識が今だにトナー転写式にも適用されているものなのですが、地方出身の20代前半の通訳さんに泣いて訴えられて、しばらく自分の席の隣にコピー機を置いて見せたことがあります。
2 冷気開放
この時期、商店の店頭にはこの「冷気開放」の文字の書かれたポスターが張られます。文字通り、涼しくしているので、寄っていってください、という意味です。冷房普及期=経済発展期の名残らしいのですが、深センは5月下旬ぐらいから9月ぐらいまで日本の真夏の暑さ、日本以上に湿度が高い暑さが続きます。そして、通りはクラクションで騒々しく、雨が上がると土埃が舞うのでいらいらします。
ただ、5月下旬から6月はライチ、そのあとはマンゴー、スイカが深セン市内でも取れますのでとても安く買えます。この農産品、特に果物の豊富さは生活の中でも大きな楽しみでした。
3 洗髪屋
これは日本でも登場しても不思議ではないと思いつつ10年たってもまだ現れません。夏は散髪屋も暑くて商売あがったりです。そうすると、こんな看板が出ます「洗頭(しーとう) 10元」
別に怪しいものではありませんで、(怪しい散髪屋は別にあります)冷蔵庫で冷やしたシャンプーと冷たい水で頭を洗ってくれるのです。そして、メントールをしみこませたタオルで顔や首を拭いてくれます。
私は会社のすぐ近くのマンションに住んでいたので家に帰って水浴びすればよいのですが、意外に人気を博していました。
4 海水浴
深センには大梅沙という立派な海水浴場があります。以前、その近くの島にビキニ美女軍団と行った話をご紹介しましたが(結構シリアスな話ですが)、
中国人も海で遊びます。でも、泳ぎはしません。パラグライダーとか水上バイクとかは人気です。でも庶民の家族はなんだか砂浜でダラダラしているだけです。そして、ここで見かけたのが(最近日本でも時々街でいるので、あの人たち中国の人かな?と思っているのですが)かつて人気のプロレスラーだったデストロイヤーのような覆面をして、帽子、長そで、長ズボンの女性たち。中国ではいまだに伝統的価値観で「女性は色白が美しい」という価値観があり、絶対に日焼けしないという強い決意をもってきているのです。これ、子供連れのお母さんが子供の夏の思い出作りにしょうがなく、というのならまだわかるのですが…結構若い女性でもしている人がいます。そんなに嫌なら海以外でも楽しめる場所あるんじゃないのかな?
5 夏の飲み物
中国でも最近はペットボトルの飲み物が普及しています。サントリーのQooは酷ooというブランド名(読み方は同じ)で当時とても人気がありました。ただ、会社では、やっぱりみんな熱いお茶なんです。冬と変わらず茶碗に朝、茶葉を入れ、給湯器でお茶をつぎ足しながら飲んでいます。
私は区分がよくわからないのですが、「体を温める食品」「冷やす食品」というのが中国では陰陽の考え方に基づきあります。これは料理の温度とは関係がありませんで、基本的には、「温める食品をベースとして健康を維持」しつつ、「冷やす食品」を夏はうまく取り入れる、というのです。それも、個別に覚えているのではなく、彼らはみななんとなくその陰陽の体系を子供の時からの家庭の教育で身に着けているのです。なので、私がマンゴーばかり食べていると、「総経理、陰性のものばかり食べていては体を冷やして調子が悪くなります。」と言われて、生姜や豆類を勧められたりました。
でも、夜みんなで食事に行くと、結局これは日本と同じなんです。「来啤酒!」(ビール持ってきて!) …冷えるんじゃなかったっけ?