昨夏の弊社創業以来、ずっとお付き合いしてきた大学発AIテックベンチャーが4月に法人設立し、昨日、サービス説明を含む記者発表を行いました。きぼうパートナーは、世界市場のデータの収集・整理、環境分析などから始まり、戦略仮説の立案、戦略説明資料や、事業計画書の作成などをお手伝いしてきました。製品開発に直接かかわってきたわけではないのですが、きぼうパートナーとしてもこうしたプレス発表の場は最初の事例となりました。ビデオカメラを回しながら、昨夏の猛暑の中、エアコンのない自室で夜遅くまで外国語(英語だけではない!)のサイトを調べまわっていたことや大晦日まで企業調査に追われていたことを思い出していました。
当初思っていたよりも大勢のプレス関係者の方にお越しいただき、数多くのご質問もいただき、「大学ブランド」、「AI」というキーワードのアトラクティブさを目の当たりにしました。また、昨年来はやりの(少しピークアウトした感もありますが)AI系テックベンチャーということもあり、記者の方からは早くも資本調達、IPO目標などの質問をいただいておりました。
しかし、最後に新会社の社長が挨拶され、研究者らしい誠実さで、世界にどんな問題が今生じているのか?そして、自分たちは世界をどのように変えていきたいと思っているのか?を丁寧に自分の言葉で述べられて場を締められました。私のようなビジネスサイドの人間はどうしても二言目には、通貨単位での計測を始めたがるのですが、師匠が私にいったように、「大義」を述べられる魂に、この仕事に関わってきて良かった、と思いました。
記者の方が記事にするには少し不満の残る説明だったかもしれません。ここで多少でも話を盛って夢を語り、派手にぶち上げることが人材とお金を集めてアクセルを踏む最初のチャンスであることは彼らもわかっていたはずです。しかし、彼らはそれをしなかった。私も多分そうはしないだろう、とこれまでの彼らの考えの中で思っていました。彼らは自分たちの知識と技術を世の中で生かしたいのです。
狭き門より入れ、滅びに至る門は大きく、その道は広く、これより入るものおほし。命に至る門はせまく、その道は細く、これを見出すもの少なし。
マタイ伝第7章13節
きぼうパートナーが始まった時に、この会社に関われたことはとても幸せなことでした。彼らは狭き門から入ろうとしました。その道を一緒に見出していくことが私たちの役割です。