30代前半のころ、当時仕えていた役員にこんなことを言われました。
『ただで手に入る情報なんて大した価値はない。』
『価値ある情報は、それなりのお金をかけて手に入れる必要がある。』
『でも、本当に大切な情報は人との積み重ねた信頼関係の中でしか手に入らない』
たしか、この話はゴルフをやらない私にゴルフの効用を説いた中で出てきたものだったのですが、それから15年以上がたち、この言葉を実感することが多くなりました。
当時の私は、優れた技術と知識、それに知的バイタリティがあれば、会社を率いていけると思っていたところがたぶんにありました。しかし、実際にはその機会を与えらえてもなかなか思うような結果を出せませんでした。
ある時、とうとう失業してしまい、周囲を見渡すと、昔から不義理ばかりしていた高校の同級生が手を差し伸べてくれたり、仕事で迷惑をかけてお詫びばかりしていた人が心配して連絡をくれたりして、その中に、自分にとっての突破口が見つかる、ということが重なりました。
そう思って周囲を見回すと、地道に営業、運用を続けるのは、確かに技術やバイタリティかもしれませんが、その会社にブレイクスルーをもたらすのは、外部からの刺激となる情報であり、その外部からの情報は日頃からの信頼関係のある人脈からもたらされる、ということが一般にも多いということが見えてきました。
とはいっても、どうやってそうした人脈を気づけばよいのか?というのも数年困っていました。
こんな情報を求めている、というのを自分の中で整理して交流会に出る、というのもいろいろ試しましたが、交流会はお金がかかる割には、その場かぎりの関係も多いですし、そもそも自分が今求めている情報を有している人がそこにいて、それをその場でマッチングできる確率はそれほど高くありません。結局今、こうして事業を進めていくうえで多くの社外の方の力や知恵を借りているのですが、これはこれまでのサラリーマン時代含めた事業の中で、結果はともあれその人達の役に立てるようにしたい、と思って行動してきて、それが結果はともあれ理解していただいた方々でした。
私は、ほとんど交際費を使いません。そういうのがあまり得意でもありません。ただ、社外も含めて、「相手の役に立てることをお金よりも優先する」ということが結局一番の近道なのではないか、と最近では思っています。