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経費削減講座3 携帯電話

前回は、固定電話のお話をしたので、ついでに携帯電話についてもお話ししましょう。
私たちが経費削減支援サービスを始めてからでも、最も手法も環境も激変したのは携帯電話類です。過去、何度も携帯電話についてはこのようなご説明記事を書いてきたのですが、そのいずれも今では使えない記事になってしまっているほど陳腐化の激しい項目です。
同時に携帯電話関連費用は最も削減が大きく進んだ費用の一つでもあり、知っているといないとでは倍も費用が違う、という残念な項目でもあります。

携帯電話はいろいろな要素があるので、わかりにくいかもしれませんが、キャリアや代理店の営業担当者が持ってくる提案を見る際に注意するとよいであろう事項をいくつかご説明します。

【この項目に含まれる費用】
携帯電話、といってもいわゆるガラケーが法人向けでは多く使われてきました。今でも相当数が運用されていますが、最近ではなかなか入手もできなくなってきて、ベーシックで安価な傾向にあるandroidスマホを選ぶか、iPhoneシリーズを選ぶケースが多くなってきました。また、ノートPCなどと組み合わせて使うデータカード(モバイルルーターという言い方もよくされます。)もこの関連費用ですし、一時期多く出回った通信機能内蔵のノートPCやタブレット類もこの関連で考える必要があることです。

【法人向け携帯費用のポイント】
最初に「スマホ」と「ガラケー」を念頭に説明します。
法人用途ではまだまだガラケーの台数が多いです。手に入るならば、ガラケーでもいいのではないか?ということが最初のポイントです。ガラケーとスマホでは、まだ倍以上月額経費が異なります。

また、スマホでは、まず、費用と用途を「通話」と「データ通信」に分けて考えることが必要です。
「通話」に関しては、受信専用の運用形態でない限り、通話に関しては、定額での「話し放題」(わかりやすく書いていますが、具体的には1万円までの通話料を含むなどの方法です。)のプランを使うことが無難です。(ガラケーでも話し放題が一般には無難です。)さらに、この一定量まで話し放題という制度は、いろいろな割引適用後の金額に対して適用される会社が多いです。そのため、ドコモ、au、ソフトバンクとも同じ携帯電話会社同士ならば日中の通話が無料になりますので、一つの会社で2つ以上の携帯電話会社を併用するのは得策ではありません。これは後述の法人限定プランを交渉する際にも役に立ちます。

【データ通信容量をどう考えるか?】
データ通信については、大きな落とし穴があります。いくつかの携帯電話会社では、法人でまとめて50G,100Gなどのデータ容量制限があり、これを分け合う形で使用するほうが安い、という提案が多いようです。しかし、この方法はお勧めできません。私たちのこのご提案にもかかわらず、この方式を採用された会社の多くが、ぎりぎりのデータ容量を選び、時代の趨勢でデータ通信が増大し(OSのアップデートすら肥大化しているのです)、容量制限に達し、速度制限が発動されています。すると社長さんはじめ全員を対象に速度制限がかかり、社内は怨嗟渦巻き、総務はパニックで追加料金支払いという状況が発生します。
営業がこれを勧めるのには彼らの内部事情があるからであり、実は1台当たり5G,7Gという個別の制限方式でも安くすることができることは多いのです。

ちなみにデータ容量を多く使うのは、動画を多く扱うような特殊な業務でない限り業務データやメールではなく、アプリやOSのアップデートです。これらを社内にWi-Fi環境を整備し、社内で(Wi-Fiで)アップデートするようにすれば、だいぶ容量の消費は減少します。

【法人限定プランというのが存在します】
法人で5台以上を通話で使うような場合には、MVNOではなく、主要3社の「法人向けのプラン」を交渉することをお勧めします。

これらはwebサイトには説明書きがなく、価格も非公表で実は交渉で決まるような要素が多くあります。その中でも10台を超えるような場合は、ずいぶんと安くなるような方法もあります。そのため、さきほど申し上げたように全社統一するだけでなく、タブレットやデータカードもセットで交渉することが重要な作戦です。
内容自体は数か月おきに変わるようなものでもあり、その時の携帯電話会社の方針や販売会社の方針によっても変わる傾向があり、一概には言えないのですが、ざっと個人向けの半分、というような目標感といってよいかと思います。(実はもっとうんと安いケースもあります。)

面白い方法としては、特にiPhone指向の会社様におすすめなのですが、旧機種を積極的に探すという方法もあります。たとえば、年に1回新機種が発表されるiPhoneですが、1,2世代前の機種が法人向けに安くセールされていることがあります。こういう情報はルートが限定されていることもあるのですが、業務用では2世代前でも全然問題ありませんので、当たってみる価値はあります。

【データカードの活用】
一時期ノートPCやタブレット(iPAD)などで通信機能付きのものが多く発表され、人気を集めました。もちろん、これらは月額の通信費用が発生します。私はデータ通信機能付きはあまりお勧めしません。理由は二つあり、本体の更新と通信機能の更新が同時にしかできないことと、対象機器が2つ以上になることも今後増える中で一台割安なデータカードを保有すれば、それでタブレットも、ノートPCも利用でき、通信機能付きをそれぞれ買うよりも割安なことも多いからです。

以上、いくつかアイデアをご紹介しました。携帯電話は商品が複雑なだけに、販売店の都合に誘導されているケースが特に中小企業を中心に多いように見受けます。
販売店の営業に負けず、一度冷静に考えてみることをお勧めします。それでもわからなければ、ぜひご相談ください。

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