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変えることを恐れない強さはどうやれば手に入るのか?

たとえば、小さな会社で、これまで外注で実施していた業務を内部化し、しかも今までの所要期間を五分の一の高速化しようとしたとき、あなたならどうしますか?

システムを調査し、データフローの定義を行い、手順書を作成し、管理者に協力依頼の説明会をして、業務スケジュールの締め切りを各部に連絡する…普通のコンサルタントがするのはここまで。コンサルタントというのは、「実際やるのはあなたがたでしょ?」という態度を取り、その時間と労力が膨大にかかるところはやらないことにより時間当たり付加価値を上げるビジネスです。

最近お会いした実績ある再生コンサルタントは、こうも言っていました。「顧客には、提案されたことをやらずに滅びる自由もある」

しかし、実際にはそれでは組織は変わりません。遅れも失敗も発生するし、社員は面倒がって不満を抱くし、経営者は一度はプロジェクトを承認するものの「そんなことは俺のやりたいことではない」「そんな説明は聞いていない」という態度を取り始めます。

また、実際にその仕組みがうまくいくかどうかは、比較的早期に解決できるシステムやフローの問題ではなく、社員一人一人が生成するデータの精度と速度に依存し、それはバックグラウンド知識と習熟が必要になります。しかし、単に文書を流しただけで全員に周知されるわけでもなければ、一度読んでもそれが自分の新しいタスクとどのように関係するかがその時点できちんとわかるわけでもないのです。そもそも、「一度言えばわかるはず」というのは教える側の傲慢であり、山本五十六がいったというように、なんども言ってみせ、ほめて叱って、やって見せ、それでもなおも人は動かじ、それを前提に組織は率いなければならないものですし、さらに現代では人はどんどん入れ替わっていきます。

組織を変えることはなぜ難しいのか?はここに原因があります。組織は基本的には当期の利益を追いかけており、人数に比例した慣性力をもって動いています。だから、そこには直接寄与しない「変化」を引き起こす動機は存在しません。しかし、経営環境は時代と会社規模に応じてかなりのスピードで変化しているため、それに対応する変化は必要となるのですが、それには、その組織に「やらせる力」が必要であり、しかもそれは多くの場合、凝集性の高い部内ではなく、部外から与えられる運動量によって合成ベクトルとして引き起こされます。それを組織が自分でハンドルを握って自分で目的地を見出して進んでくれるはず、というのは考え違いなのです。そうであってほしいがそんなことはめったにない。

その運動量が外部から加わった時、組織内には、不満や摩擦や出来ればやらないでおこうという動きがみられ、あるいは手抜きや反発心からの骨抜きなどの抵抗が多かれ少なかれ起こります。それを早期発見し潰していく運動量とは、決して綺麗な言葉、「目的の共有」や「スピード経営の実現」というようなものではなく、「怒気」を含んだ「執念」や「遅くまで大変だね」というような「同情」であったりするのです。

もちろん、整理の仕方や社員への呈示の仕方に多少のコツはあるのですが、基本的には、中に入り込み業務と人物をよく知って、繰り返し言い方をかけつつ言い聞かせ、ぶつくさ文句を言い怖いと思わせ、でも誰も見捨てずに作業を最後までやり遂げる、そういうことが変えるためには必ず必要です。変えられない組織はその「変革の重荷を背負う人」嫌な奴役がいないのです。みんないい人を演じたがる。

そして、それを一時的にでもになってあげるのが私たちの役割なのだと、一年を振り返って考えています。

社員としても、傭兵としても様々な組織に関わってきましたが、実は同じような問題に同じように対処しようとしても、結局出来上がったフローも帳票も呼び方も全部バラバラでした。問題発見と処方箋は同一であったとしても、やり方は全部異なっていたのです。そのリアリティのないコンサルタントは多分成果を上げられないのではないか、と私は思うのです。

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