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令和のビジネス青春群像②

最近の若者はすごいなあシリーズ、第2回は彼らの心の面で違いを感じるビジネス関連のポイントを整理してみたいと思います。

日本で最初の「男女協働参画社会ネイティブ世代」

今の20代が日本社会を変えるもっとも大きな点はこの点ではないでしょうか?職場で、自分の仕事をしている女子社員に平気で「お茶、お願いね」あるいは、「言われないでもお茶ぐらい出せ」という光景には20年前から違和感を抱いていて「それがあいつの重要な仕事だ」という九州出身の20歳上の役員と衝突したこともあった私にとってはいい時代になったと思うことしきりです。

男性側が「仕事を休んで子供の授業参観に行く」とか「早く帰って子供の面倒を見る」ということはほぼあり得なかった世代の私からすると、「父親も子供の成長にコミットする」という意識の変化が労働、消費の両面で社会の構造を変えてきていることを感じます。

これは男性だけではなく、女性側も20年前はかなりの社員が、「自分は雑用係でいいんだ、指示を受けたことをきちんとこなせばいいんだ。」という意識の人がかなりの割合で会社にいました。「女性はそういう生き方でいいんだ」というような家庭の教育、社会の常識が女性と男性をそこに押し込めていたのだと思いますが、最近はそういうひとはずいぶん減り、女性でも何らかのスキルを身に着け、キャリアを築いていきたいという方が多くなっています。こういう人は概して優秀です。法人営業をやらせてみると訪販でも、インサイドセールスでも多くの業務でトップ層は女性の方が男性よりも多いというケースが多くなっています。

しかし、この大きな変化はなぜ起きたのでしょう?少なくとも私の世代は会社以前に親から女は家庭に入る、職場では補助的な役割という刷り込みがありました。しかし、社会に出ると「雇用機会均等法」が施行されそれが強化される過程が進んでいました。今の若い人たちはその私たちの世代の子供にあたるわけで、時代が変わるのに1世代を要した、と言う事なのだと思います。そして、私たち世代が上から押し付けられた封建的価値観に渋々家庭や会社で従いつつも、子供にはそれを教えなかったからこうした変化(進歩)は生じたのでしょう。

だが、さらに上の世代、あるいは地方にいくとこの変化はまだまだ遅れているようです。東京だけをみていて時代は変わった、というのは早計だとも思います。


同調圧力を跳ね返す

日本社会に蔓延する、特に伝統的大企業では根強い同調圧力に対してうまいことやり過ごして生きていくことこそが長い間サラリーマンの宿命でした。多分サラリーマンのストレスのかなりの部分をこれが占めているのではないでしょうか?私の様に、その同調圧力の前提にある「常識」から論破しようとするような人間は集団内では生きていけないのが日本社会でした。

しかし、これをも変わりつつあるようです。彼らは、「意見を言わないのはその場にいないのと同じ」と教育されています。そして、正常な合意形成の結果自分の納得したものを実行する、という教育をされている。我々の世代は、実質家庭教育も学校教育も、「疑わずに黙って従い、不満を言わずまじめに働け」だったことからすると正反対です。そもそも家庭が子供に頭ごなしに禁止し、命令するということをしなくなりましたし、ぶたれる、怒鳴られるということも家庭でも学校、会社(さすがに会社でぶたれるは私も見たことされたことはありませんが、怒鳴られるは相当数ありました。)でもなく育ってきているわけです。

若い人が良く辞める会社の一つの典型は、こうした「無意味な同調圧力の強い会社」です。強いている本人たちは、「無意味」とは思っておらず、「業務の前提、社会の常識」と思っているのですから、それに無理してついて行く気にもならないわけです。

もっとも銀行、財閥系メーカーなどではまだまだこうした「空気による支配」は根強いようではありますが、これらは組織の瓦解がもっと進まないと、今ある収益基盤がそうはいっても他に比べれば強固なので、安住できてしまっているのでしょう。

お金にも出世にも囚われない

これは会社や階層によります、という前提があります。ある営業会社の新人研修を担当したときには、新人の自己紹介文に、「給料の目標額」という欄があって(そもそもこの欄があること自体、この会社の体質を表していますが)そこに、かなりの新人が1000万円を超える額を書いていて、「月給だよな?」とびっくりしたことがあります。年収1000万円は目標にしたことは一時期ありましたが…

ただ、「自分の勤務先の会社で管理職になりたい」、「高給取りになりたい」、という意識は昔に比べると希薄で、家庭や友人とのバランスを取りつつ、自己投資や趣味、スポーツにも時間を使う、というバランス型の人間が昔に比べるとかなり多くなっているようです。ただ、だから努力しないかというとそうでもない。ただ、「みんなが同じものを目指している」という状況ではないし、内的な幸福感を重視する人が増えていると思います。

会社からすると、「達成報酬」「昇進機会」のような従来型の人参が必ずしも効かない人が増えているわけで、加えて仕事の社会的意義、有意義な人との交流など仕事の報酬を多面化していく必要がある状況になっているわけです。難しい時代ですが、事業理念から戦略、年次計画までが一貫して整備されていればできなくはないとも思います。

2回に分けて最近感じる若い社員の変化を書いてきました。日本では経営層は50代、60代が多いわけですが、「ハラスメント研修」で社会と若者の意識の変化を言われて「昭和は遠くなりにけり」と思っていると思います。

しかし、その時代の変化により実はこうしたコンプラ事項だけでなく、給与制度、評価制度、あるいは組織構成や採用手法、PR方法など様々な経営課題の変化が必要になっていることをゆっくり起きている変化だけに見落としているのではないでしょうか?

最近よく言われる言い方に「古いOSに新しいアプリを乗せるようなもの」というのがあります。会社の基本的価値観の時代に合わせた変化の重要性をインストールしても機能を発揮しない、速度が遅く帰ってストレスになるパソコン、スマホの例になぞらえているわけです。いろいろ偉い人、賢いコンサルタントが高いシステムと研修を実施してもなかなか効果を発揮しないのは、本当は経営陣自身のこの認識の時代とのギャップにあることが多くあります。

どんなに年寄りが「甘えだ」といきり立っても、この変化は不可逆的であり、誰にも押しとどめることはできません。企業経営者としてできることはそれを理解し、うまく取り入れて自分が時代に対応するだけです。

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