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クラウド型会計ソフトの選択基準~freeeかマネーフォワードか~補足編

おととい公開した前記事ですが、爆発的なアクセスを集めました。8月のアクセス総数を4日、5日それぞれ一日で上回っているぐらいです。

貧弱なサーバー(月額1400円!)で運用しているため、午前の時間帯はトラフィックアラートにひやひやしました。いくつかのご意見、ご質問もいただきましたので、臨時で補足させていただきます。

①こんな記事を書く目的は何なんだ?

世の中のこうした記事のほとんどが、「お金をもらって書いている」か「契約に至るとお金が入って来るアフィリエイト」のため、「おまえは何なんだ?」(敵か味方か?)というような意見が寄せられました。弊社は会計専門のコンサルタントでも、ITのコンサルタントでもありません。会社の業務の効率化や見える化、あるいはリスクの手当、マーケティングの手順の組み込みなどの「仕組みの構築と定着」を中心にお手伝いしています。詳しくは本サイトの弊社サービス案内をご覧ください。

そのため、現時点ではどの会計サービス会社、もっと言えばあらゆる商品の販売会社とも送客コミッションの契約をしていません。別に断っているわけではないのですが、顧客のそれぞれのケースに応じて一番良いものを提案するし、提案したものは導入、運用まで長期間責任を持つということをしています。

今日も導入2か月目の経費申請システムで約600枚の経費精算申請の正誤チェックをお客様先にて行い、約20件の「今月は管理部で直すけど、今後こんな風にしてね」というメッセージを社員に送りましたし、その前には、不慣れな社員に向けて、「会社では領収書ってこんなものでこんな管理をするんですよ。だから、適正な管理をしましょう。」というレクチャーコラムを2回に分けて提供したりもしています。そういう執着心をもって仕組みを定着していく変革のプロを自任しています。

という話をすると、気難しい奴だな…特に自分のところを支持されるわけではないのか?ということで話が進んでいないというのが実情です。ですので、どこを支持するとかは決めておらず、前回記事でマネーフォワードの事例が多いと書いたものの、次にお伺いした会社がfreeeの方が適しているかな?と思ったらfreeeのトライアルを一緒にやって問題の洗い出しをしているかもしれません。

②当社は経費は「〇〇経費精算」(サービス名)を使っています。ダメでしょうか?

 そのサービスは私も資料ダウンロードとトライアル申し込みをしたことがあるサービスでした。価格が明示されていないので、資料をダウンロードせざるを得ず、その資料にも価格が書いてありませんで個別見積もり。すると、3日連続して電話がかかってきましたので、この調子でガンガン電話で関連サービスをクロスセルされてはお客様も困るなあ、と思いそこから先の検討をやめたサービスでした。

今回は、会計システムの話全般について書きましたが、この質問はそのうち、「経費精算」に関する部分に特化した話です。この「経費精算」に関しては、会計システムとは別に勤怠に強い会社や、マーケティングオートメーションに強い会社などが様々なサービスを販売しており、競争が激しい分野になっています。そして、「ダメか?」と聞かれると、クラウド系のサービスで、経路探索と、領収書のOCR機能があること、そして後述の電子帳簿保存対応ができること、の3点が満たされているサービスであれば、今、効率的に使っているものを理由もなしに変える必要はありません。

ただし、これからこうしたものを利用開始する、スタンドアローンのシステムから入れ替えることを検討していて、あなたの会社がITに非常に強い会社でないならば、freee、マネーフォワードの2大会計サービス系の経費精算以外はお勧めしません。

理由は二つあります。

一つ目は、管理部門での設定の手間の問題です。経費精算を交通費だけに限る場合、それも原価ではなく、販売費及び一般管理費だけの場合には、すべての費用をおそらくは、「旅費交通費」で登録すれば済むでしょう。(それでも、一部には研究開発費に該当するとか仕訳が出る可能性がありますが)しかし、領収書の精算まで対応しようとすると、様々な勘定科目に対応する必要がでます。その場合、経費精算ソフトと会計ソフトの勘定科目を連動させる設定作業が必要になります。

この作業が、会計サービスとシリーズの経費精算サービスは自動で行われ、常に一貫性が保たれます。当然のことなのですが、会計サービスで登録していない勘定科目が経費精算側では登録できません。しかし、別のシリーズだとこれを手動で管理しなければなりません。会計サービス側で何等かの原因で勘定科目コードを変更、削除、あるいは新規追加すると経費側でもその作業が必要です。この作業を「最初だけです」と言って、「お手伝いします」という人もいますが、実際には、こうした勘定科目のメンテナンスは企業が発展し、あるいは業務が追加変更していくうえで継続的に発生していくものであり、業務の新設、統廃合が激しいベンチャーではかなりの頻度で発生します。その時に常時一貫性管理をしなければならない会計サービス系列外のサービスはちと面倒です。

これに類似した点でいうと、実はマネーフォワードは、会計と請求書と、経費精算で勘定科目の一貫性は保たれますが、ユーザー(社員)の登録は本日現在では、それぞれ別々に作業が必要でして、これが急成長(どんどん新規採用)するベンチャーでは月に何度も入力作業が発生します。正確にいうと、経費精算はほぼ社員全員、請求書は登録する可能性のある営業系社員と経理社員、経営管理担当、会計系は経理担当と経営管理系、給与は年末調整の入力の関係でまた社員全員を登録する必要があります。

先日は、freeeよりも、マネーフォワードの方が良いような印象を与えたかもしれませんがそれはユーザーである一般社員の使いやすさという点でして、freeeはこうした登録は1回で済みますので、管理部にはフレンドリーです。(同一サービス内のメニュー項目だからです。)マネーフォワードにはここはホント改善してほしい点です。

もう一つの他サービスをお薦めしない理由は、力のあるIT企業で、利用サービスの変更を厭わない気合が経営陣とIT部門、経理部門があればよいのですが、そうではない中小企業の方が大多数です。そのため、一度サービスを変更したら少なくとも3年ぐらいは使い続けることを前提に弊社は提案します。その時に、この先3年安定して使い続け、そして機能の改善や発展が時代に合わせて期待できるか?あるいはインフラの安定性が維持されるか?という観点でサービスを評価したときに、激戦のクラウドサービス業界において、提供会社の資本力と人財力という点は重視するべきと考えます。もちろん、かつてのfreeeやマネーフォワードがそうであったように、若い優れたアイデアを持つ会社が、その壁をうち破って発展することはありますし、私自身そういう企業を応援する仕事をしているわけではあるのですが、クライアントの限られた管理業務リソースの中でその冒険をクライアントに勧められるかというと、それはできません。その会社のコアコンピタンスに関わる部分以外は、安全で、他にもユーザーが沢山いて情報が豊富で、機能追加が頻繁で、業績が安定していて長期の安定供給がきたいできる会社の製品を進めることが良心だと考えます。

③こうしたものを使うと業務は減るのか?

最後に今日、聞かれたこの質問です。それは私が領収書を一枚一枚申請と照合している場面で聞かれました。これも一般の社員に関係する「経費精算」に関することが念頭にあるのでしょう。あるいは、一般的には、慣れていない方法を導入することに対する社内の軋轢を心配して、本当に社員に、会社にメリットがあるのか?を確認するという意味もあるでしょう。

まず、システムをクラウドにしたから、あるいはスマホ申請にしたからと言って、関連する経理業務全体のフローや工程数が減るか?というとほとんど変わりません。本人が申請し、上司がチェックし、経理では領収書と突き合わせて整理し税理士に報告する、という流れは変わりませんし、「電子帳簿保存法」においても現時点では、経理部でのチェックのあと、第3者のチェックを経るまで領収書を捨てることもできません。

この「スマホでとったんだから、紙の領収書捨てて画面上でチェックすればいいじゃないか?」というのは、もっともなご意見ではあるし、そうできた方が経理も楽なのですが、実際やってみると、入力ミスや内容不明がやはりたまにおきます。そして、スピード重視で60点でもよいという営業系業務と異なり、経理業務は常に1円単位で正確であること、すべてが整合的であることが制度的に求められています。現在の面倒な電子帳簿保存法も、こうした知識や作業のレベルのばらつきがあることを思えば、やむを得ない部分もあります。もっとも、これらは読み取り精度(OCR機能)の改善や仕訳推論の改善でこれからも改善していくのだろうと思います。

では、何が変わるのか?そもそも導入すると会社は利益が上がるのか?(費用が減るという以外に)ということを経営者は最終的に判断の基準にしなければならないわけですが、それはプラスの効果が多くのケースであります。

理由は一つには、スマホでの移動時間、空き時間での手軽な登録ということが可能になる経費の部分で業務時間を有効活用できるからです。また、業務フローがシステム制御できることで内部統制を自然と明確化できることや、部門での見積書、請求書入力をできるだけ前倒しすることでエクセルベースの当てにならない見込み集計を少しでも確度を高くし、手間のかからない現状把握が(確定案件、見積もり案件というレベルのものについては)可能になります。

また、どうしても中小企業で、「システムに詳しい人」の工数を相当数消費していたこれらのソフト、ハードのメンテナンス業務をなくし、その人をより顧客対応に近い部分に注力させることができます。実は、この効果は現代においてはそこそこ大きいと私は考えます。システム屋が考えるべきことは、顧客の利用体験の改善、感動であるべきであり、経理からの緊急コールへの対応、徹夜の復旧作業ではないはずです。

そして、チェンジマネジメントを旨とする弊社の立場からすると、このようなシステムの導入は、会社の立つ場所を「新しいものをきちんと取り入れていく」というところにします。もちろん、少数のこうした新しい仕組みに対応することに強いストレスを感じ反発する人というのは出てきます。しかし、社会はスマホをインターフェースにすべてがこの方向に変わってきているのであり、それに対応できない人はあなたの会社で今後長く活躍することを期待できる人でしょうか?社内システムを時代に合わせて適切に変えていくことは、社内の人を適切にフィルタリングし代謝していくことに通じるのです。と、過激なことをいうようですが、私が今まで見てきた中では、若い人を中心に、ほとんど問題なく移行できます。だって、若い人はみんな、スマホでカメラで撮影して要領よくSNSアプリから短文で連絡するというような作業を毎日個人ではしているからです。

実は、それに対応できないのは、社長、あなたではないですか?忙しい、といいつつ本当は違うんじゃありませんか?こうした時代の変化を一番知っておくべきはあなた自身だと私は思います。

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