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駐在員はよく亡くなっている 健康管理

暑い日が続き、長くお世話になっている方が入院したりして、私も健康には注意しなくてはいけないなあ、と改めて思っています。

最初は私は中国のシステム開発人員との仕様や品質情報をやり取りするオフショア開発のブリッジ人材として中国と数年関わっていたのですが、ある時、勤めていた会社の重役が中国で急死されてしまう、という事件に出会い中国とのかかわりを急速に深めていきました。その亡くなられた時の出張先の会社がそのあと数年して私が赴任した会社だったのですが、その時の話は現地の幹部にとってもショック過ぎてアンタッチャブルな事になっていました。

実際、海外赴任中に亡くなられるケースというのは実に多くあります。外務省の海外援護統計を見ると年間500人ぐらいの方が海外で亡くなられていて(旅行も含む数字です)、その大半がアジア(当然行先として多いので)です。現地の日本人会に加入して領事館関連のニュースメールを見ていても、事故事例として時々、中国のどこかの町で急病で亡くなられた事例を目にしていました。知っている方がなくなられたというケースも上以外にもありました。突然の心筋梗塞という分類が多いように記憶していますが、中国の場合はそれ以外に、本人の名誉のためそうは公表されないのですが、急性アルコール中毒の事例も実際には少なくない数があるようです。政府機関との会食や組合総会などでの宴会での乾杯の嵐には私も何度もつぶれましたが、日本人は上手にしのぐことが下手でまじめに胃に入れてしまうため、大事に至る事例が実際にあるのです。例えば、飲んだふりをして口の両脇にためておき、おしぼりで口を拭くふりをして、そこにお酒を出してしまい、そのあと、店員さんに「おしぼり換えて」と中国語でさっというと店員も察して対応してくれるのですが、そうした処世術も生き抜くうえでは大事な事だったりします。

もちろん、お酒が原因ではなく亡くなるケースもあり、多くの場合50代以上が多いようです。日本のように程よい気候ではなく、寒さ、熱さが激烈だったり、空気が悪かったり(私も深センでずっと咳喘息に苦しみました。)、食事が脂っこかったり、町が異常に大きくて日影が少なくてしかも危なっかしいのでなかなか散歩・ランニングというわけにはいかず運動不足になりがちだったりします。病院に行っても、中国の場合、「中医(漢方系)」と「西医(日本人の思う医療)」が同じ病院に同居していて、安くて医師の多い「中医」が患者も多いのですが、日本人としてはそんなものには関わりたくありません。

私が赴任していた2000年代は、大企業からの赴任者は外国人専用のマンションに住み外国人専用の日本語通訳のいる病院に送迎付きで通い、奥様連中はホテルで飲茶パーティ、給与も現地と日本の二重受取というような優雅な暮らしをされていたようですが、私は中小企業でしたので、現地の人と同じマンション、同じ散髪屋、同じスーパー(マンションの1階がスーパーというところが多いのです。)同じ病院に行っていました。今では現地採用の方も多くなり、またそのような赴任貴族待遇も大企業でも減ってきていますが、それでも病院は万一の時の心配ごとでした。私は妻も同伴でしたので個人で、医療支援サービスを契約して、いざというときの同行や通訳、予約代行などをお願いできるようにしていましたが、これが結構高かったのです。

そうした事故はどの企業にも起こり得ます。現地にいる人間は、日本以上に「自分の代わりは誰もいない」という責任感の中で働いていて、しかも簡単には病院にかかれない状況に置かれています。こうした状況を日本でも理解していただき、必要な医療支援サービスを付帯するであるとか、急に太ったりしていないかとか、そういうことにも目くばせが必要だと思っています。ちなみに私は中国赴任後半年で10キロ体重が増えてしまいました。

ご遺体を現地で火葬せず、空輸で持ち帰る手続きはものすごく大変です。これを支援してくれるサービス会社もありますが、これまた200万円を超える金額が私がみたケースでは発生していました。私は、妻と会社に「死んだら現地で火葬してくれ」と伝えていました。赴任者はそんな現地に一体化し土になる覚悟をして働いています。その気概を経営者にはわかっていただきたいと思っています。

 

 

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